避けて通れない遺品整理
自分で行う場合と業者に依頼する場合がある
親族間であっても、遺品整理をするのは容易なことではありません。処分したい物、扱いがわからない物、縁が良好だった親族の間では、故人の持ち物で形見として残しておきたい物もあるでしょう。
たとえ、自分の親であったとしても、どれがどれなのかを選別するだけでも大変な作業となりますし、もし、遺品整理の場所が賃貸などであったら、すぐに明け渡さなければいけない場合もありますし、期限も迫られた状態ではゆっくりもしていられないことになってしまいます。
初めての経験では、どうしてよいのか判断がつかず、おろおろするばかりかもしれませんが、遺品整理をしてから次のステップとして、遺産相続の問題も出てくるわけです。
まずはそのための第一歩ということもありますので、きちんとしておかなければならないことでもあります。
- 現金
- 印鑑
- 銀行の通帳
- 株式証券
- 骨とう品
- 美術品 など
貴重品は、まさに遺産相続の対象となります。
遺品整理の当事者になった場合、自分で行う場合と業者に依頼する場合がありますので、自分の都合や費用の面を考えて、どちらを選択するかを慎重に検討してみましょう。
故人の身内でしなければならないのが遺品整理
親族が亡くなったら、身内でしなければならないのが遺品整理になります。葬儀が終わってひと段落しても、落ち着く暇はありません。
遺産相続が待っているからです。一刻も早く遺品を整理しなければならないと思っていても、いろいろな都合でままならないこともあるでしょう。
悩んでいるうちにどんどん時間が過ぎてしまえば、遺産相続も税務の関係上、期限が決まっていますから大問題で、親族一同が困ります。誰もできないのであれば、業者の手を借りることをおすすめします。
遺品整理を始める前には、必ず親族へ場所と時間を通知しておきましょう。親族同士のトラブルにならないためにも、同意のもとでオープンにしてから遺品整理を開始することが重要になります。
親族が集まる機会に実行しても構いません。
孤独死の問題
現代にはびこる孤独死の問題
少子高齢化がどんどん進み、1人暮らしの高齢者は年々増えているのが現実です。子供とも離れ、周りとも交流がなく、孤独死をするケースも増えています。
そうなると、子供とも縁が切れ、たとえ親族がいたとしても、薄い関係では遺品整理を拒否して放置するケースもまた増えているのです。
賃貸物件の場合は、管理人の迷惑事項となってしまいますが、自腹で仕方なく業者に依頼することもあるようで、孤独死の問題は、遺品整理にとっても深刻化な問題となってしまっているのが現状でしょう。
子供が親を看取るということも、なかなかできない時代になっているのです。一人暮らしの高齢者が孤独死することで、同じように問題視されているのがゴミ屋敷です。
いわゆる部屋が汚部屋となってしまった中で暮らしていたために、ゴミが散乱し、遺品整理以前に大掃除をしなければならないことも発生してくるというものです。
孤独死でも親族がいればまだ問題は小さいのですが、誰も親族がいなかったり、引き取りを拒否したりした場合は、他人が巻き込まれて苦労することになる可能性が出てくるでしょう。
昔のように他人が関心を持つことが大事
3人に1人が孤独死しているという悲しい時代。
2030年には2人に1人が孤独死となる可能性があると予想されています。原因としてはよくいわれる少子高齢化の他、未婚化で実家を出ていかないパラサイトシングルの増加などもあり、地域社会との繋がりがないままに老後を迎えてしまったり、引きこもりで外出しないことが日常化して孤立していったりなどで、若い頃から社会と疎遠な高齢者が増えてしまっているからです。
孤独死で発見が遅れれば遅れるほど腐敗臭がきつく、遺品整理での部屋清掃が大変になります。通常のハウスクリーニングでは異臭が取れないからです。
看取る身内もいないからこそ、周囲の他人(民生委員やボランティア、近隣住人)などが無理にでも、昔のように関心を持たなければならなのではないでしょうか。